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【会社改革の500日 R4 vol.10】組織の風通し

株主総会こそ良いコミュニケーションの場にしたい

株主総会が無事終了しました。前半は緊張感もあったが、株主との意見交換なしでは集まった意味がない。できるだけ和やかな雰囲気を作ろうと、質疑パートでは本音ベースで話し、東さんや担当役員にも答えを振った。事務局も工夫を重ねていて、以前は社長一人の原稿読みだったのが、今は各役員の取り組み紹介、映像やナレーション、と賑やかに。会場もぐっと和らぎ、最後は「厳しい市況だが頑張れ」と励ましも頂いた。

社内のコミュニケーションには、心理的な安全性が不可欠

ボルは現在、3本柱への構造改革を進めているが、忌憚のないコミュニケーションがかつてなく重要だと感じている。逆風下での収益確保、新分野など組織挙げての創意工夫が欠かせないからだ。

ある経済誌で特集されていたが、今は不確実・多様性の時代。話し合いが活発になる組織には『心理的安定性』が不可欠という。恐怖やペナルティでなく、チーム内で自分の考えや気持ちを気軽に発言できる環境だと、たとえ意見の対立があっても安心して仕事に専念しやすい。

確かにコロナ禍で身に染みたが、落ち着かない日常でも、ちょっとした雑談を繰り返すことで互いの生活や楽しみを共有でき、乗り切れた感がある。

結果が出てないとき必要なのは、『人をねぎらいながら、タスクを否定する』態度だ。例えば、「資料作成お疲れさま。○○がよく分かる。ただ、△△が曖昧だからもう一歩掘り下げてくれないか」。逆に「君は、こんな××もできないのか?」は人格を攻撃してしまっている。やるべきことから逃げてないか、思慮や行動が十分かを問うべきだろう。

ただし勘違いしていけないのは、人に優しい組織は『ぬるま湯組織』ではない、ということだ。仲良しグループは「チームの調和」を最重要に考えてしまい、問題点があっても指摘はしない。一方、心理的安全性が高いチームは「結果を出す」ことを第一に考えるため、必要な注意は行う。

リーダーの役割は大きい。第一歩はメンバーの話を聞くことだそうだ。何が好き嫌いか、理想の働き方や大切にしていることなどを、少しずつ。力加減が難しそうだが、ボルは自然とそういう組織になっている(?)。厳しい時こそ、強く意識したい。

(参考)週刊東洋経済 2023/9/2号(「心理的安全性」超入門)