特集:女性管理職座談会
左から
プロデューサー兼マネージャー エミコさん
マーケティングディレクター兼マネージャー カスミさん
プロデューサー兼マネージャー モモカさん
目の前にあるチャンスは掴んでみる!
——– 皆さんが管理職になられたきっかけを教えていただけますか?管理職になることを希望されていたんですか?
エミコ:希望はありました。もともとキャリア志向だったのもあって、ゆくゆくはマネージャーになりたいと上司には伝えていました。それもあってチームリーダーの頃から、上司からマネージャーとしての考え方、知識や、実績表の見方など、様々なことをレクチャーいただきました。
モモカ:私は就活の時から「女性でも早く出世できる、管理職になれる」ということを会社選びの軸の一つにしていたので、学生の頃から管理職希望はあったと思います。ボルテージに入社して、“すごいな”と憧れる女性の方々は皆さん管理職だったこともあり、管理職がどんな仕事なのかも知らないまま、漠然と「管理職」って言葉に憧れている感じはありました。ただ、いざ打診された時は1回お断りしたんです。というのも、上司の近くで管理職の仕事を見て実際の中身を知り、“管理職って、私にはまったく向いていない仕事だな”と思うことが多くなっていたからです。その後もう1回打診された時に、『やってみてダメだったら(マネージャーを)やめればいいからチャレンジしてみよう』と言われて決心しました。
カスミ:私は将来管理職になりたいという思いを持って入社したものの、未熟な部分もあり、まだまだ頑張らないと、と思っていた矢先にお話しを頂いたので、自分にとっては急なお話しでした。実は、チームリーダーになる時も尻込みして、半年くらい待っていただきました。
モモカ:尻込みっていう言葉わかります!「なりたい」と「できる」は違いますよね。
カスミ:そうなんですよ。マネージャーへの打診も尻込みしたのですが、上司から『チームリーダーの時も出来たでしょ』と言っていただけて、思い直しました。
——– 管理職になるにあたって重要視したことは何でしょうか?最終的な決め手があれば教えていただきたいです。
エミコ:収入アップは決め手になりましたね。
モモカ・カスミ:収入アップは大事です。
エミコ:それに、管理職になることによって、携われる仕事や多くの裁量が持てるのはすごくやりがいを感じるなって思います。
モモカ:私は当時本当に悩んでいたので、正直なところ何が決めてだったかあまり覚えていないんです。ただ、新卒で入社してボルテージの中で成長していくとなった時に、社会人としてのスキルや経験を伸ばしていかないと、という思いがあって。管理職になったらもっといい仕事ができるようになるだろうし、もし無理だったら引けばいいか、みたいな思いはありました。
あとは、管理職として活躍されているロールモデルの存在があります。私の上司はとてもマネジメントが上手なんです。人をやる気にさせる言葉かけがうまくて、人を楽しく働かせることができるんです。部下がいい気持ちでチャレンジできて、部下をいい気持ちで成長させることができるスキルってすごいなと思って。
カスミ:私は満足感が得られることが大きいのかなと思います。メンバーよりもチームリーダーの方が業務内容の質が違うので当たり前ですが、成果が出た時の充実感とか達成感がいい意味で重いなと思っていて。そして私はそれが楽しいと感じられるから、さらに一つ上のレイヤーへ、マネージャーへチャレンジした方がいいと判断しましたね。責任も増えますが、私にとっては自己成長していきたいと思っているからこそ、チャンスがもらえるならやっておいた方が絶対にいいな、と。
人の成長を結構嬉しいと感じる自分がいる
——– 管理職になって良かったなと思うことはありますか?
エミコ:今までにないことを、自分が発案し主軸になって動かしていけることですね。新事業に携わることで、自己成長の場が出来ますし、経営陣との距離も近くなるので、色々な提案ができる機会が持てるのはとても良いなと思っています。
モモカ:私も自分の成長につながるのが良かった点だなと思います。
あと、楽しみの幅が広がったなって思うんですよね。お仕事をしていて楽しいな、とか、やりがいがあるなって感じる瞬間って、固定化されていくと思うんです。例えば私の場合はシナリオディレクターだったので、「作品が出た瞬間」「お客様からすごく褒められた時」「売上が高かった時」の3つでした。
でも管理職になって、私ではない誰かが『出来ました』って言ってきた時、人の成長を結構嬉しいと感じるようになって。シナリオディレクターのお仕事だけでは得られなかった楽しいっていう気持ちが、一つ増えたのは、管理職になって良かったと思うことの一つです。これまでは人の成長なんてそれほど興味はなかったんですが、『あの時教えてもらったおかげで上手くいきました』と言われた時や、迷ってる人に助言したらその子が成功していくのを見ると、楽しいと思えるようになったんですよ。それはディレクターのお仕事だけだと得られなかった喜びだと思うので、管理職になって良かったなと思うことですね。
カスミ:私も自己成長が魅力だなと思っています。今はまだ悪戦苦闘していて、マネージャーの役割を果たせるようになるのはいつだろうと、自己嫌悪の毎日ですが、それを超えたらきっと大きく成長できるぞって思っています。また、関わる人が増えるので、相談事を頂いたり、感謝されたり、必要としてもらえたって実感できるのもいいなぁと。
手探りで自分のスタイルを見つける
—— 自己成長や新たなチャレンジなどに魅力を感じる反面、管理職になったことでマイナスと感じたことはありますか?
エミコ:管理職になることによって、プレイヤーでいられなくなるのでは、ということをすごい気にしていました。でも、当時の上司から『プレイングマネージャーになればいいんだよ』って言われて、そうか!と思いました。自分がストーリーを作りたいとか、プロットチェックするだけではつまらない、と思う瞬間もあるので、そういう時は自分にストーリー作成の仕事を作っちゃいます。あとは、重要な案件が急に発生することもあるので、急遽時間を作る必要があって、その時間を作るために色々なことが後回しになり、それを終わらせるためにワークライフバランスが崩れることでしょうか。人の成長がすごい楽しく感じられるってお話を聞いて、それも共感できるんですが、反対に人の影響を受けやすいタイプでもあるので、最初のころは部下の話を聴いているときに、一緒に気持ちが沈んで、精神的に負担に感じることはありましたね。
モモカ:私は、今のところマイナス点は思い当たらないというのが答えです。自分が管理職としてちゃんとできているかと言われると全然自信は無いですが、管理職になって良くないなと感じたことは特になくて。ただ、悩む事はいっぱいあります。
「人」「お金」「コンテンツ」の3つのバランスが本当に難しい。ビジネスなので、売り上げをあげていかなくてはいけないという思いが私の中では強いんですが、部下の前で『まずは売上』とはなかなか言えない。何年経ってもそこが難しいなと思います。売上重視っていうとドライに聞こえますが、売上≒どれだけお客様を楽しませることができたか、という指標数字でもあるので、エンタメコンテンツを提供する私達にはとても重要はものだと思うんですけどね。
あとは、生身の人間が相手なので、正解がないんですよ。Aさんでうまくいったコミュニケーションを、Bさんでやってみてうまくいくかと思ったらそうでもない。永遠に正解がわからないなって思うし、それが難しいなと感じてたまに落ち込むときもあります。正解っていう形を探そうとすると迷うので、自分らしい管理の仕方みたいなのを見つけていくことが大事なんだって気づくまで悩みましたが、今はそれを乗り越えているので、もう管理職になって良くなかったとは思わなくなりましたね。
カスミ:管理職になる前は、精神的にも体力的にも忙しくなるだろうなと思っていました。実際に判断することが多くなりました。会議で自分の発言とか言葉選びをとても気にしていました。でもそこまで気負わなくていいのかなと最近になってやっと思えるようになりましたね。
困ったときに決断、迷った時にサポートできる先導者
——– ボルテージの管理職に必要な資質についてはいかがですか?
エミコ:決断力ですかね。臨機応変に動いて柔軟に考えて、即時対応する力は必要だなと常々感じますね。あとは、いかに部下をやる気にさせて目的を達成させるかという、牽引力というか、コミュニケーションも大事かなと思います。
モモカ:管理職になる前は、マネジメント力が一番必要だって思っていたんです。でも、管理職になったら、マネジメント力ってなんだろうと思うようになりました。部下は、マネージャーにお世話をしてほしいわけではなく、困った時に決めてほしい、迷った時に教えてほしいと思っていて、そこさえ管理職が担ってあげたら、あとは、皆さん優秀なので自分たちで成果を出していくんです。なので一番大事なのは、決断力と、相手をリードする、道を指し示してあげる力が必要かなって思います。
カスミ:何といえばいいか適切な言葉が見つからないのですが、会議で諸々決定して終わった後にはっ!と気づくことがあって、なぜその場で発言ができなかったのかとすごく後悔する事があります。
マネージャーになってから会議で物事を決める時に、その場で発言しなければいけないのに、一歩遅れるんですよね。瞬発力なのか、場数を踏んだら埋まるものなのか。今私に足りないなって思っているのですが、上手く言語化できなくて・・・。
『後出しで申し訳ないですが・・』って後から提案することも言わないよりは良いと思うものの、なんだかムズ痒い感じで。
モモカ:確かにその場で瞬時に判断できたらいいと思いますけど、そうならない時もありません?よく考えたらなんか違くない?みたいな事よくありますよね。大事なのって、その後からでもいいから先をちゃんと見通して、正しい方はこっちだよねって、その場でなくても整理して言えることが大事なのかなという気はします。
カスミ:確かに、考えがまとまらない状態で発言して、混乱させるよりはいいですね。
プレイヤー時代の経験や成果が管理職で活かされる
—— 管理職をするのに役立った経験・体験などを教えてください。
エミコ:やっぱりプレイヤーとして業務をしてきて管理職になっているのもあって、プレイヤーとして働いていた経験があるからこそ、部下に説得力を持って指導することができるなって思います。
モモカ:私はプレイヤーだった時の成果です。成果を出しているか出していないかで、人からの信頼度って変わると思います。その成果を出してきた人だから、この人の話なら聞こうと思ってもらえるのかなというのは思います。今までシナリオディレクターのお仕事しかしていなかったとしても、マネージャーになれば、ゲームディレクターへの指示もしなくてはならない。相手との経験値に差がある中でやっていくには、やっぱり成果を上げているっていうのは大事かなと思っているんです。周りからの信用を得るという意味でも、それがあった方がやりやすいと思いますね。あとは、ロールモデルの存在は結構大事ですね。近くにこの人のこういう所を真似したいと思える管理職の女性がいるというのは、私にはすごく良かったです。
カスミ:経験や成果については、本当にそう思いますね。私はキャリア採用で入ってきたので、広告の知識があり、チームリーダーになった時もマネージャーになった時もその知識を活かして教えることができる。知識や経験はやはり役に立ちますし、頼ってもらえる存在になるのは大切だなと思います。一個一個、経験談をしっかりと伝えてあげたいと思いますね。
—— 最後に、管理職になって良かったと思いますか?
一同:はい、そうですね。
エミコ:管理職になるチャンスがあるなら掴むべきだと思いますね。