【会社改革の仕事術 R4 vol.3】『投資サイクル』で変革する
期初プラン、お疲れさん! しっかり廻していこう!
危険な暑さに無理は禁物。休憩、休暇をうまく取り入れて乗り切ろう!
7月の全社会、各V社から期初プランを発表してもらった。プランを主導したVH長、皆さん、お疲れさまでした。それぞれ特徴があり、理屈・数字が理路整然、実施案がユニーク、お金の見立てがシビアなど。どれも必要な要素、チームで得意技を広げていって欲しい。年初から調子は上がっている。勢いを崩さず、しっかり廻していこう!
さて、僕も全社方針にあたり過去データを整理したが、つくづく感じたのは『投資サイクル』が機能してきた、ということ。ここ数年の苦心の成果なので、大変喜んでいる。
多角化に欠かせない、新事業の立上げ。5年のチャレンジで、方法論がまとまってきた
一般に、特定分野で成功を収めた企業ほど次分野への参入に苦労する、といわれる。成功してない会社だって難しいと思うが。ハーバードのクリステンセン教授は『成功のジレンマ』と呼んだ。成功体験が新規事業立ち上げを妨害する、という意味だ。組織が一つの「事業育成」(1→10)に全力を傾け続けると、大きくなった頃は仕事のやり方が極限まで効率的になっている。これは既存業務の運営には良いが、「新事業の立上げ」(0→1)には害をなす。「新事業」に必要なのは新ノウハウの蓄積なので、小規模で失敗を許容しながらゆっくり進めないといけない。大規模・効率化というのは逆効果だ。分かってはいても、長年のやり方が組織全体に染み込んでいるため、それを適用してしまう。多角化を狙う企業の多くが、この壁にぶつかるそうだ。
ボルテージでも、魔の19期は新規案件を派手?にやりすぎ大赤字を出した。僕も新事業をマネジメントする具体的な術を持っていなかった。創業時の無手勝流も違う。その反省を経て、この5年、実戦でギクシャクを重ねながら、皆とコントロール手法を組み上げてきた。それが『投資サイクル』で、ようやく機能してきたのだ。
独自の『投資サイクル』を、完成度上げ、実績出したい
『投資サイクル』は、一言でいうと、多くのプロジェクトの始動と淘汰を繰り返し、既存で稼ぎつつ新分野を取り入れる方法論。多角化のベースとなる。概略は下のようにシンプルだが、実行には様々な細則が必要だ。
①毎年、既存事業に対し一定比率で新規投資を行う。
②新規事業で一定期間内に結果が出ないもの、既存事業で採算が悪化したものは、絞り込みを行う。
③既存事業と新規事業のバランスをとりながら、複数プロジェクトで①②を繰り返す。
多角化は、重要性が説かれる割には指南書がない。近年、ビジネスモデルは30→10年と短命化し、企業は次々と新事業を生み出さねばサステインできなくなった。アップル、アマゾン、ネットフリックスも失敗を重ね変貌している。ボルテージも、『投資サイクル』のレベルを上げ、常に時代変化を取り込む企業文化にしていきたい。