社長コラム【会社改革の仕事術 R3 vol.3】2Q連続黒字!投資回収サイクルを廻す
攻めの経営を加速する
今期最初の四半期(Quarter)、前期末から2Q連続で黒字を達成した!社員スタッフ皆さんの創意工夫のたまものである。施策にはヒットも不発もあるが、各部署からの週次報告を聞いていて「しっかり考えているな」と頼もしく思う事が増えた。この半年は売上を成長させての黒字だ。組織としても大変な自信になった。
準備してきた「攻めの経営」を加速させたい。先日の全社方針会は、東さんから幹部の気合を見せたいと提案を受け、自宅からのテレビ会議でなく、オフィスのスカイルームから発信した。
僕からは全社グループの「多角化戦略」として、下3点を話した。
1.目標とする「成長率」を定めた。
2.「投資回収サイクル」をしっかり廻し、「事業ポートフォリオ」を成長させる。
3.多角化に向け、「疑似・持株会社」化を進展させる。
仕事の幅を広げよう。社外との真剣勝負が自分を成長させる。
半年前から各部署で新しい案件に取組んでもらっている。新規アプリ、新領域ビジネスなど、形が見え、勝ちパターンを発見し、着実に進捗している。新型キャンペーンも大成果をもたらした。
現行業務と新しいチャレンジは、注力のバランスが難しい。面白いストーリーを作り、アプリに仕上げるだけでも、毎月結果を出すのは大変だろう。ただ、それだけ繰り返していても成長がない。一区切りのついたタイミングに1割で良いので、新しい試みに力を振り向けて欲しい。今までなかった形の盛上げ策、デジタルにリアルを組み合わせたファンダム展開、SNSや動画配信との連動。そういった努力は、先輩たちが作ってきた今の型を進化させる。
新しい事のヒントは外から取り込もう。ボルに限らないが、メーカー企業は内にこもりがちだ。自社ノウハウを高く積上げようとするから。確かに頭の中で創作するのも大切だが、外の世界を実地で見ると思いもよらない発見がある。いろんな会社、人に会って話を聞こう。話の糸口に自信がなければ、先輩に頼んで付き添ってもらえばよい。
僕も20代の頃、ルーティンの企画や制作業務が一通り分かってきて、「こんなもんか」と仕事を見切った気になった時期があった。しかし新しいプロジェクトにアサインされ、これまでと違う外部企業の人達と仕事をし、「まだまだ色んなことがあるんだ」と強烈に驚いた事を覚えている。外の世界は広い。ある領域を10年やっている人の話など、とても面白く、以来、そんな人の話は根掘り葉掘り聞くのが癖になった。ピンと何かを得たら、ずっと考え続ける。ある日、脳内で何かとぶつかり合い新しいイメージが降りてくる。そんな瞬間を何度も経験してきた。自分の成長は自分で切り拓くしかない。
「恋愛と戦いのドラマ」で人々の「生活を盛り上げ」る。広い領域に目を向け、創意工夫を凝らして欲しい。仕事を通しいろんな人と出会い、利害が絡んだ真剣勝負をする。スリリングな経験となるはずだ。
デカく考えよう。醍醐味は、規模ではなく成長率にある
ビジネスは、詰まるところ、投資と回収のサイクルである。1つの投資をヒットさせ、大きく回収する。さらに次の投資につなげる。より大きなチャレンジ、舞台で勝負しよう。
コンテンツビジネスの醍醐味は大ヒットを出すこと。ただし僕は、マグレの一発ヒットはいらない。再現性もないし嬉しくない。小規模を重ねてノウハウを磨き、狙ってヒットを出したい。醍醐味は、規模ではなく成長率にある。100億円タイトルの一員になるより、この手で1億、3、5、10億と伸ばしていきたい。
今読んでいるアイリスオーヤマ社長の本「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」(日経BP)にも同様のことが書かれていた。大山社長は父親の死で小さな会社を引き継ぎ、苦しい中、常識にとらわれず組織実験を繰返し、独自の方法論を編出し続けた。経常利益の50%を毎年投資。新商品率50%を維持。毎週のプレゼン会議。今のボルに近い方針も多い。勇気をもらった。