男が創る! 第4回:恋アプに続け。新たなヒット創作へ、飽くなき追求
恋アプに続け。新たなヒット創作へ、飽くなき追求
~男性向けヒット作品を支える、ディレクターの想いとは~
- K.M
- 2013年入社。シニアリードディレクター/マネージャー
- K.Y
- 2015年入社。コンセプトディレクター
- H.Y
- 2015年入社。チーフシナリオディレクター
新たな領域で、ビジネスチャンスを探る。
H.Y:ボルテージは「女性向け恋愛ゲームアプリの会社」と認識していただいていることが多いのですが、実は男性向けコンテンツを3作配信しています。その中の最新作が2015年11月に配信を開始し、ボルテージにとって新領域への挑戦となった男性向けサスペンスアプリ「六本木サディスティックナイト」(以降:六本木)です。
K.Y:「六本木」は男性向けコンテンツとしては3作目になりますが、ボルテージとして初の試みが多くあるタイトルになりましたね。
K.M:そうだね。「六本木」の前にリリースしたものはストーリーがメインのコンテンツでした。ボルテージの強みはストーリーなので、それを活かした男性向けコンテンツを作ろうという方針のもと2作リリースしました。ダウンロード数は目標近くまで達成できたのですが、ストーリーだけだとLTV※の伸び悩みが課題として上がってきたんです。そこで「六本木」ではゲームシステムを根本から見直し、新たにカードのバトル・育成機能を追加。ただ配信当初はなかなか上手くいかず、厳しい結果でしたね…
厳しい状況下でも、自身の「楽しむ」気持ちをモチベーションに。
K.M:リリース当初、苦労ありました?って聞かれたら、本当に苦労しかなかったです(笑)売上も立たず、課題ばかりでしたね。「六本木」はカードバトルがメインですが、当初はカードを使用して戦うイベントや機能など、カードの使い道自体がそもそも不十分でした。なので、その度に突貫工事で新たな機能を追加したりして…でも自分が楽しいものを作っていたので、不思議ときついと感じることはなかったけど。
K.Y:僕もそうでした。とはいえ、なんとか早急に売上を立てないと…という焦りはありました。
K.M:「このまま売上低迷が続くなら、○月で更新停止する」という具体的な話まで出ていたからね。
H.Y:ストーリーも今でこそSeason2まで実装していますが、当時はSeason1までしか配信しておらず、ユーザーに提供できるコンテンツ量自体がまだまだ足りませんでした。「コンテンツの充実」という明確な課題が見えていたので、ストーリー量を増やすことをミッションに、僕は途中から六本木チームに参加することになりました。
K.Y:ストーリー以外にも、イベントやカード自体への新機能も投入しました。その時にはすでに現在の仕様に近い状態にまでなり、1年後にはKPI的にもかなり理想の数値に近くなっていたように思います。
復活の兆し。きっかけは「意思決定のスピード」
K.M:課題が山積みだった一方、売上が低迷していたため割ける人員が減り、相当効率良く進めないと対応できない状況になりました。可能なかぎり「全員での意思決定」から「責任を伴う個人での決定」を増やすことで、スピード化を図ることに。この「意思決定のスピード」が「六本木」好転のきっかけになっていたのかなと今となっては思います。それができたのはチームのメンバーを信頼しているからですね。後輩であっても、分野によってはチェックしたところで僕より詳しい…というのもありますし。
K.Y:もちろん心配なところは相談しますけどね!あとは、「意思決定のピラミッド」でしょうか。六本木にはプロデューサーと制作責任者、開発責任者の3人がトップにいて、その3人の誰かの承認を得られれば、とりあえずGO判断が出ます。これを「意思決定のピラミッド」と呼んでいるのですが、この体制にすることで「とりあえずやってみる」という動き方ができるんです。
H.Y:これはとても大きいですよね。特にアプリゲーム業界だと移り変わりが激しいので、スピードが競争力に繋がっていきます。意思決定のスピード感で競合に勝っていかないと、きっと立ち行かなくなってしまいます。
K.M:会議もかなり減らしたかな。基本、毎朝のブリーフィングと週に一回の定例会のみで、それ以外にわざわざ会議の場をつくることはありません。口頭で相談・提案できるものは資料なしでどんどん進めます。なので、特効薬としてなにか一つが効いたというよりかは、このようなスピード感の中で様々な施策を投入することができたことが、好転のきっかけになったのかなと思っています。
「六本木」でしかできない体験を提供したい。
K.M:スマホアプリ市場では日々新しい技術が生まれています。それに伴いゲームシステムは常に変化していますし、六本木でもマッチする部分で取り入れられるところはぜひ取り入れたい。でも「六本木」を立ち上げた時の「男の本能を揺さぶる」という根本のテーマは今後も変わらないと思います。新しい機能を入れることよりも、「六本木」でしかできない体験を提供したい。ここさえブレなければ、何をやってもいいと思っています。2人は今後の目標とか夢はある?
K.Y:僕は、まずは自分が楽しむことですね。そうすれば、自然とタイトルも盛り上がっていくんじゃないかなと。六本木に関わるようになって実感したのは、ファン目線でいることの大切さ。実際僕も六本木のいちユーザーで、課金することもあるんです。だから、ユーザーの反応を見ているだけでも本当に楽しい!ただ、ファン目線で好きになるのは誰でもできる。けれど、どのようにすればこのアプリやキャラクター達をもっと好きになってもらえるかを考えることが重要だと思っています。
H.Y:僕は「ボルテージ=女性向け」というイメージを覆したいですね。「六本木」も、今ではボルテージの主力商品である「恋愛ドラマアプリ」を凌ぐ勢いで、売上も順調に推移しています。「六本木」を皮切りに、ボルテージを、女性向けだけでなく男性向けのコンテンツも作っている会社だと認識してもらえるきっかけを作れたら嬉しいです。世の中に大きな影響を与えるコンテンツに育てていきたいですね。
K.M:もちろん、さらに多くの方々に「六本木」を知っていただき規模を大きくするのも目標ですが、既に多くのユーザーに遊んでいただいているのも事実。今後も長く愛してもらえるよう、常識に捉われず、常に新しい遊び方を模索していきたいなと思います。
※LTV…Life Time Value(顧客生涯価値)
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『六本木サディスティックナイト』とは
2015年11月に配信を開始した女性キャラの収集・育成要素を含む男性向けサスペンスアプリ。六本木を舞台に美女たちと事件を解決していく、マルチエンディングストーリーが好評を博しています。
■料金体系:基本プレイ無料 / アイテム課金制
■権利表記: © Voltage