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《対談》時代が求めるコンテンツを作り続ける ボルテージ東奈々子×漫画家ひうらさとる
仕事とライフステージ、その関係性は?コンテンツの背景にある女性としての人生。

家族を支えているようで、支えられている。

――仕事と家庭を両立するには夫婦の協力体制が重要だと言われていますが、お二人はどのように連携をとっていますか?

:夫婦で会社を経営しているので、常に夫婦で行動してます。ほぼ毎日、家族そろって食事をします。仕事モードがクールダウンできていないと、食事の時も仕事の話をしてしまうこともありますが…。子どもはもう慣れてます(笑)

ひうら:そんなに長時間一緒にいるんですか!?珍しい夫婦像ですね。我が家は逆に私も夫も出張が多いので、グーグルカレンダーでお互いの予定を共有しています。

:なるほど、便利ですね。でも旦那さんが出張中でひうらさんお一人のとき、仕事が詰まってくると大変じゃありませんか?うちは一番上が中学生になったので少しずつ家事を頼めるようになりましたが……。ひうらさんのお子さんは小学生でしたよね。

ひうら:はい、まだ8歳なので家事は難しいですね。でも城崎は地域で子育てをする風土があるので、私や夫が子どもの世話をできないときは、地域の方々が協力してくださるんですよ。夜は温泉で待ち合わせてママ友に娘を預けたり、近所のおばあちゃんが温泉で娘に声をかけてくれたり。温泉が、夜でも安心して楽しめる子どもの社交場になっているんです。最近は海外からの観光客も増えてきたので、子どもは温泉でグローバル化を実感しているようです。

:面白いですね~。

ひうら:幼少期に海外の文化を肌で感じるのは、得難い経験だと思います。東さんも海外への移住に、コンテンツ発信者としての仕事、会社経営に子育てと忙しい毎日だと思いますが、東さんはどんな時に「子どもがいて良かった」と思いますか?

:そうですね。子どもたちを通じて世の中を学べることもたくさんあるし、仕事とはまた違った自分の成長を感じたりできますし。小さかった頃は仕事との両立でタイムマネジメントが大変でしたが、大きくなってかなりラクになりました。今は、どういう人になりたいかみたいなことを子どもたちに聞いたり話したりするのが楽しいです。

ひうら:私も、子どものおかげで笑って過ごせています。まだまだ小さいので取材や打合せで東京出張が入ると「なんで行くの?」と寂しそうにしていますが、私が仕事を頑張っているのはわかってくれているみたいです。

:最近一番嬉しかったのは、打合せで私の帰りが遅れた時に、中2の娘から「ご飯炊いとくね~」と、メッセージが来たことです。「育てて良かったー!」と心の底から思いました(笑)毎日慌ただしいですが、子どももそれなりに理解して成長してくれてるんだなと。ひうらさんは将来、子育てや城崎に関する漫画の制作も考えているんですか?

ひうら:まだ構想は練っていません。住み始めて数年で、熟成されていないので(笑)子育ても、出産後のことをようやく落ち着いて思い出せるようになり、『ホタルノヒカリBaby』を描き始めました。

:この先どんなコンテンツを発信できるかわかりませんが、コンテンツ発信を通して世の中の女性たちとともに成長し続けていきたいですね。

取材・文/華井由利奈

東 奈々子
取締役副会長・ファウンダー
Voltage Entertainment USA, Inc. COO
津田塾大学卒業後、総合職として博報堂に入社。2000年パートナー津谷の起業に伴いボルテージへ参画、副社長に。ボルテージ東証一部上場を経て、13年から米国進出のため3人の子どもとともにサンフランシスコへ。16年3月に帰国。
ひうらさとる
漫画家
大阪府出身。1984年に『なかよし』でデビュー。主な作品に『ホタルノヒカリ』『メゾンde長屋さん』『ヒゲの妊婦(43)』『女子高生チヨ(64)』など。現在、月刊『Kiss』(講談社)で『ホタルノヒカリBaby』を連載中。一児の母。

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