〜彼とすれ違いのあなたへ〜
『最初のお客さん』


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「悪いけど、好きなコいるんだ」

初恋の人の言葉。
完全に私の片思い。 その夜はとても悲しくて、たくさん泣いた。

「卒業したら、別々だな」

学生のとき付きあったカレの言葉。
たくさん好きだったのに。 その夜は、とても寒くて寂しくて、朝まで眠れなかった。

「…つまり、サヨナラってこと?」

同期のカレの言葉。 他に好きな人ができたから、私から別れ話。 …ゴメンネ。自分勝手だったよね、私。

 
「もう電話しないでくれ」

不倫相手の上司の言葉。 大好きだったのに。 結婚できると思ってたのに。 でもこの頃から、私は強く、泣かない女になった。

「友達に戻るのが一番だ」

取引先で知り合ったカレの言葉。 二人黙ったまま、時間だけが過ぎた。 とても悲しいはずなのに、涙ひとつこぼれなかった。

「他に女ができた」

合コンで知り合った男の言葉。 金回りがよさそうだったから、ちょっと付きあってみただけ。 でも、この言葉は悔しくて、情けなくて…… 私は、真剣に恋をしようと決めた。

 
そして、あなたが言ってくれた。

「僕と結婚しよう」

この言葉、きっと一生忘れない。 その夜、私は嬉しくて、あなたの胸でこっそり泣いた。
作 今井平八
   
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