〜彼とすれ違いのあなたへ〜
『最後の電話』



*・*・*・*・*・*・*・*・
「やっぱ、まだ好きなんだよねー」

「また言ってるー。お酒がまずくなるよ」

「だってー」

「もう、諦めなよ。明日は別の女と結婚しちゃうんだし…」

「やっぱ、一回電話する。このままじゃ諦めきれないもん」

「やめなよ、惨めになるだけだよー。トドメ差されて、どん底まで落ちたいワケ?」

「もう、かけちゃったもん…」

「あたし知らないよー。もう夜中の1時だよ」

トゥルル…トゥルル…
 

『…はい、もしもし』

『…』

『もしもし?』

『…ワタシ…』

『…なんだ、アサミか?元気かよ?』

『…うん。アキラ、明日、ホントに結婚しちゃうの?』

『…』

『あたしまだアキラのこと好きだよ』

『…』

『…何とか言ってよ』

『…オレも、お前のこと好きだよ』

『えっ?』

『でも、オレ決めたんだ。あいつとやって行くって』

『…』
 

『お前はイイ女だよ。また飲みに行こーぜ』

『…』

『じゃあな、おやすみ』

ツーツーツー

「何て言ってた?アンタ大丈夫?」

「…ハアーッ」

「どうしたのよ?」

「うん。あー、さっぱりした。あいつ、あたしのことイイ女だって。なんか、さっぱりしちゃったよ。もう、寝よ寝よ」

「はぁ?」

「…明日、晴れるといいな」

作 なっこ
   
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