特集

《対談》ボルテージ社員×漫画家ひうらさとる 共感される物語にはヒミツがあった!クリエイターが知っておきたい4つの極意。

恋愛と、仕事と、趣味。このなかで20~30代の女性が一番大切にしているのはどれでしょうか?その答えは時代によって変わります。そして生み出されるコンテンツも女性の嗜好に合わせて変化してきました。今回のゲストは、2000年代に大ヒットを記録した『ホタルノヒカリ』を代表作に持つ漫画家のひうらさとるさん。「オトナ女子」を見つめ続けてきたひうらさんの創作の舞台裏に、ボルテージの副社長 東奈々子と企画・制作を担当する2人の社員が迫ります。
第二回のテーマは、コンテンツ創りの極意。ボルテージで数々のヒット作を生み出してきたコンテンツプロデューサー堀井、遠藤が共感されやすい登場人物の作り方から、物語の展開方法、出産後の仕事術まで、コンテンツを生み出し続ける苦悩と楽しみをひうらさとるさんと語ります。

≪堀井プロフィール≫
2008年入社。プロデューサー。「特別捜査 密着24時」「誓いのキスは突然に」「生存率0%!地下鉄からの脱出」「あの夜からキミに恋してた」などの数々のヒット作の企画を担当。

≪遠藤プロフィール≫
2007年新卒入社。プロデューサー。「眠らぬ街のシンデレラ」「怪盗X恋の予告状」「天下統一 恋の乱Love Ballad」などの数々のヒット作の企画を担当。ひうらさとるさんとは日本テレビのバラエティ番組『変ラボ』にて、胸キュンシーンを考える企画で共演。

キャラクターを生み出すときは“対”で考える。

――『ホタルノヒカリ』の主人公、雨宮蛍の誕生秘話を教えてください。

ひうら:きっかけを作ってくれたのは、編集担当さんとアシスタントさんでした。アラサー向けの新作漫画を考えていたとき、編集担当さんから「バリバリのキャリアウーマンの家に癒し系の男の子が転がり込んでくる話はどうですか?」と言われたんです。

堀井:どこかで読んだ漫画みたいですね。。

ひうら:でも一緒に仕事をしていたアラサーのアシスタントさんたちがその設定に対して、「恋愛に対して必死な世代っていますよね」「そんなに結婚したいんでしょうか?」と、あまり共感できないのか、他人事のように言っていたんですよ。その捉え方が新鮮でおもしろくて、キャラクター化したら蛍ができました。

堀井:私はボルテージで新作の企画を練っているのですが、これまでおよそ80以上のキャラクターを考えているので、今までにないキャラクターを生み出すのにいつも苦悩します。出版社の編集会議では蛍についてどんな話し合いをしたんですか?

ひうら:蛍を新作の主人公として提案したら、女性陣は「わかる!」「あるある!」と共感してくれました。一方男性陣は「その主人公は何か障害があるの?」「過去にトラウマがあるとか……」と(笑)これは意見が分かれて面白くなるだろうと思い、高野部長を蛍とは対照的な性格にしました。キャラクターが対になるとボケとツッコミみたいに呼応してストーリーが出来上がるんです。だから蛍の恋敵である優華や、その恋人の殿(神宮司 要)も全く違う性格にしているんですよ。

遠藤:面白いですね!ボルテージの恋アプでは、ヒロインは誰もが自分を投影できるように、そこまで強い個性はあまり付けていないんです。でも、その分イケメンキャラクターは、現実には居そうで居ないラインで強い個性を持ったキャラクターを作っています。

ひうら:いろんな性格のキャラクターを出すと、より多くの人が共感してくれるんです。「蛍の性格、すごくよくわかる!」っていう読者がいれば、「蛍の気持ちはわからないけど、高野部長の言いたいことはすごくわかる!」っていう読者もいる。本って、Facebookの「いいね」くらいの気持ちだと買ってもらえないんですよ。どうしても気になる!って思ってもらうために、物語に対していろんな意見を持つ人が出るような構成にしています。強い意見を持ってもらえる物語ほど面白くなると思うんですよね。

遠藤:ちなみに、男性キャラクターを作るときに気を付けていることはありますか?

ひうら:恰好よかったり仕事ができたり、みんなが好きそうな男性にしていますが、必ずどこかにほころびを作っています。私もそうなんですけど、女性は男性のかわいらしいところとか、ダメなところに惹かれやすいんですよ。そのほうが人間味もありますし。

堀井:ボルテージで男性キャラを作る時には、ギャップを大事にしています。それを踏まえて、ひうらさんがこれから新しい男性キャラクターを作るなら、どんな人にしますか?

ひうら:少し前までは、学校一のイケメンがドジで一生懸命な女の子に恋をする話が主流でしたよね。でも最近は、むしろ恋愛経験のないキャラクターが流行っていると思います。真面目な男性が女の子に恋をして牙城が崩れ、急に男らしくなるとか。そういう色っぽさのあるキャラクターがいいかな。

堀井:ふふふ。聞いているだけでドキドキしてきちゃった(笑)

遠藤:妄想しちゃいますね(笑)

 

 

ひうらさとる
漫画家
大阪府出身。1984年に『なかよし』でデビュー。主な作品に『ホタルノヒカリ』『メゾンde長屋さん』『ヒゲの妊婦(43)』『女子高生チヨ(64)』など。現在、月刊『Kiss』(講談社)で『ホタルノヒカリBaby』を連載中。一児の母。

アーカイブ:時代が求めるコンテンツを作り続ける