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【会社改革の500日 vol.8】20枚カードの活用で、新しいスタイルを創る!

【会社改革の500日 vol.8】20枚カードの活用で、新しいスタイルを創る!

コンテンツメーカーがやるべきは、独自スタイルの創作だ

12月で3年改革の前半が終わる。バラ色のV字回復にはなっておらず、焦ったこともあった。しかし、今は落ち着き、やるべきことに集中できている。この1年半を整理することで、視点が短期から長期に変わり、僕自身にも社員一人ひとりにも創作エネルギーが満ちている。

今我々がやっているのは「新しいスタイル」の創作だ。それはヒットを連続的に生み出すための基盤であり、アプリは15あるがスタイルは全社で一つ。今回の改革では、これまでの「恋愛アプリのシリーズ展開」というスタイルを進化させ、長く生き残るものにしたい。

業績アップの方策を出さねばと思うとしんどいが、スタイルの創作と捉えると俄然やる気が出る。映画界で言うと、若かりしゴダールたちが映画運動「ヌーベルバーグ」を起こしたり、コッポラやスコセッシが大手スタジオに対抗し「アメリカンニューシネマ」という流れを作ったりしたようなものだ。今僕が直接アプリを作ることはないが、その基盤作りもモノづくりの一貫であり、楽しんでいる。

集団での創作は難しい。皆の話を広く聞き、その後、方向をまとめた

500人をまとめるスタイルを作るというのは大ごとだ。僕が一人で考えるのではなく、一人ひとりの想いを結集し、太いスタイルを編み出したい。いわば集団での創作活動。全員で粘土を積み上げ大木を作るイメージだ。

改革の最初の一年は、大きな方向性を決めることに費やした。ユーザーにアンケートを取ったり社員から意見を聞いたり、とにかくいろんな機会で皆の話を聞いた。すると、市場と社内で何が起こっているのかが分かってきた。新しいことも試し、新型アプリ、VR、子会社設立など、可能性を探った。

最後に方向を絞り込むのは、僕の責任だ。脳内にあるいろんな断片を繋げ、グルーピングし、何度もメモに整理した。皆に提示して反応を見たあと、最後は部屋にこもって20枚ほどにまとめる。1年がたつ頃、「カジュアル向けとコア向けの2輪展開で行く」、「アプリを大型化する」という二つの要点にまとまった。


全社挙げての肉付け。問題は、課題を掘り下げ切れていないこと

骨が決まったら肉付けだ。この半年は、方向に沿い、アプリを作り組織を直していった。だがスムーズには進まない。都度、問題にぶち当たる。解決すべく各部署のリーダーと議論し続けた。この集団作業がなかなか難しい。

ボルテージではずっと提案会をやってきた。各人が、コンテンツの課題を出し解決策を発表するというもの。このやり方は個人単位であり、複数人でやろうとしたがうまく廻らない。それで、50人の大会議のやり方をいろいろ試し、以前書いたエボルブ会セッションという形を編み出した。組織運営上の課題に関し、成果を出すことができた。

同時に、数人の小会議のやり方も試したが、これが難しい。報告会独演会になりがちだ。人数を少なくしたり、3、4時間の長時間にしてみたり、おにぎりを入れフランクに話してみたり。

ましにはなったが、結果が出せない。その理由をずっと考え続けてきたが、3か月ほど前、ヒントを掴んだ。課題の掘り下げが足りないのだ。結果が出せなかった時、根本原因まできちんと掘下げていない。だから同じ失敗を繰り返してしまう。では、どうすればよいのか?

20枚カードを使ったKJ法で、議論が深まった。発見が頻出した

広告会社にいたとき、KJ法というのを習った。会議でカードや付箋にアイデアを書き出し、島にまとめるという方法。今回、これを商品づくりや組織運営の課題解決に応用した。

あらかじめ、各自が考える課題をカード20枚に書いてきてもらう。会議では、一枚ずつ手短に説明し、テーブルに並べる。出揃ったら、皆で似ているカードを集め、いくつかの島にまとめていく。課題を明文化しカードを使うことで、脳内の考えが可視化される。

島の並びも考える。5人会議だと、カードが100枚、島が7つ位になるが、プロセスの流れや、物事の裏と表などで島を並べ変える。その際、カードに一行書かれている内容の背景を話し合う。すると新たな切り口が見つかったり、隠れていた根本原因が浮かび上がったりする。

1人が脳内でやる思考整理を、集団で可視化しているのだ。日頃、薄々感じていたことが、顕在化された。

やり方を変える、みんなをそこに巻き込む

20枚カードを通し、課題の掘下げは確実に深くなった。ポイントは、現場リーダーと経営者の間でキャッチボールを繰り返したことと、その時間を十分とったことだ。グループ一つで2週間~4週間、全7グループで1か月半かけた。施策が効くかどうか、これから3~6か月で見えてくるだろう。

改革とは、どのようなスタイルを作るかという方向性も大切だが、メンバー全員がどのように参加したか、そのプロセスは方向性以上に重要だ。皆とともに始めた改革がまた一歩進んだ。(Y)

 

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